2026/08/10 00:00
アカデミー賞(2023年)にノミネートされた『西部戦線異状なし』は、1930年に製作された同名作品のリメイクです。そして1930年版は、靴が印象的に登場します。
舞台は、第一次世界大戦。愛国心に燃えたドイツの学生が連れ立って志願し戦場へ。しかし戦場は、苛酷。ついに仲間の一人が負傷し足を切断。見舞った仲間の一人は、「おまえにはもう必要ないだろう。その立派なブーツを、おれにくれ」と。慌てて別の仲間が制しますが、足を切断した友達は「ブーツをあいつにやってくれ」と残し亡くなります。
ブーツをもらった仲間は嬉しそうに履いて戦場へ。しかし、次の場面では、そのブーツを履いた足が戦場に倒れている。そして再びそのブーツを履いて意気揚々として戦場に向かう兵士…。そんな場面が繰り返されます。
靴の意味が静かに、痛烈に描かれているのです。
靴ジャーナリスト・大谷知子さんによるコラム「子供の足と靴のこと」の連載70「映画「西部戦線異状なし』(1930年)で語られた靴」のダイジェストです。
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「西部戦線異状なし」(1930年)のDVD(ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン)
1930年度アカデミー賞作品賞・監督賞受賞
大谷知子(おおや・ともこ)
靴ジャーナリスト。1953年、埼玉県生まれ。靴業界誌「靴業界(現フットウエア・プレス)」を皮切りに、靴のカルチャーマガジン「シューフィル」(1997年創刊)の主筆を務めるなど、靴の取材・執筆歴は約40年。ビジネス、ファッション、カルチャー、そして健康と靴をオールラウンドにカバーし、1996年に出版した「子供靴はこんなに怖い」(宙出版刊)では、靴が子どもの足の健全な成長に大きな役割を果たすことを、初めて体系立てた形で世に知らしめた。現在は、フリーランスで海外を含め取材活動を行い、靴やアパレルの専門紙誌に執筆。講演活動も行っている。著書は、他に「百靴事典」(シューフィル刊)がある。
