2026/07/20 00:00

「足育」に取り組む団体が10周年を迎え、足育について書こうと考えていると、“ネオテニー”という言葉が浮かんで来ました。これまでに2回書いていますが、ヒトの成長を特徴づける概念。難しいですが、再び挑戦します。
ネオテニーは、日本語では「幼形成熟」。その意味は、「幼い形(幼形)のまま成長すること」。「胎児や幼児に特徴的な形質が成人になってもまだ残っていること」、さらに「成長の遅滞(遅れ)」とする解説もあります。
噛み砕くと、赤ちゃんも、大人も、頭と四肢がある形は同じ。しかし機能は、全く未成熟。だから「成長の遅れ」なのです。
そしてこの時間をかけて成長するという特徴が、親の存在をクローズアップし、育て、育てられる営みの中で「愛の欲求」「友情」「感受性」「知る欲求」「好奇心」「想像力」「創造性」などが維持されるとする学者もいます。
親がたくさん愛すると、子どもは自分が愛することを覚える。靴に興味を示したら、それに素直に応えると、子どもは自ら学び、その結果、足が健康に育つかもしれません。



靴ジャーナリスト・大谷知子さんによるコラム「子供の足と靴のこと」の連載68「なぜ、足の発達は遅いのか」コラムの全文はこちら

(左)アシュレイ・モンターギュ著『ネオテニー・新しい人間進化論』
(1986年・どうぶつ社刊)より
(右)インターネットページ「ヒトの進化と異時性」
(高知大学理学部研究発表)より

大谷知子(おおや・ともこ)
靴ジャーナリスト。1953年、埼玉県生まれ。靴業界誌「靴業界(現フットウエア・プレス)」を皮切りに、靴のカルチャーマガジン「シューフィル」(1997年創刊)の主筆を務めるなど、靴の取材・執筆歴は約40年。ビジネス、ファッション、カルチャー、そして健康と靴をオールラウンドにカバーし、1996年に出版した「子供靴はこんなに怖い」(宙出版刊)では、靴が子どもの足の健全な成長に大きな役割を果たすことを、初めて体系立てた形で世に知らしめた。現在は、フリーランスで海外を含め取材活動を行い、靴やアパレルの専門紙誌に執筆。講演活動も行っている。著書は、他に「百靴事典」(シューフィル刊)がある。