2025/08/20 00:00

かつて放送されたNHKの番組「世界の先生」で紹介された、ドイツ・ミュンヘンの小学校教員ウテ・アンドレセン先生の授業は、足と靴をテーマにした実践的で印象的なものでした。授業はノーベル文学賞を受賞した詩人パブロ・ネルーダの詩の朗読から始まり、子どもたちは詩に触発されて靴を脱ぎ、自由を感じます。

次に自分の足型を取り、教室いっぱいに足型を並べ、足の動きや構造を学びます。また、靴店や修理屋を訪ねて靴の種類や役割を観察し、理解を深めます。特に印象的なのが「靴を発明しよう」という課題。子どもたちが自由に素材を選び、創意工夫しながら靴を作ります。靴の大切さと足との関係を体感的に学ぶのです。

この授業は「事実教授」という教科に当たります。日本の「総合的な学習の時間」に通じるかもしれません。アンドレセン先生のような授業が広がれば、靴の役割や選び方を子どもたちが自ら意識し、自発的に正しい履き方を身につけていけるのではないでしょうか。


靴ジャーナリスト・大谷知子さんによるコラム「子供の足と靴のこと」の連載㉒「アンドレセン先生の「足と靴」授業」のダイジェストです。コラムの全文はこちら