2025/08/20 00:00

かつて放送されたNHKの番組「世界の先生」で紹介された、ドイツ・ミュンヘンの小学校教員ウテ・アンドレセン先生の授業は、足と靴をテーマにした実践的で印象的なものでした。授業はノーベル文学賞を受賞した詩人パブロ・ネルーダの詩の朗読から始まり、子どもたちは詩に触発されて靴を脱ぎ、自由を感じます。

次に自分の足型を取り、教室いっぱいに足型を並べ、足の動きや構造を学びます。また、靴店や修理屋を訪ねて靴の種類や役割を観察し、理解を深めます。特に印象的なのが「靴を発明しよう」という課題。子どもたちが自由に素材を選び、創意工夫しながら靴を作ります。靴の大切さと足との関係を体感的に学ぶのです。

この授業は「事実教授」という教科に当たります。日本の「総合的な学習の時間」に通じるかもしれません。アンドレセン先生のような授業が広がれば、靴の役割や選び方を子どもたちが自ら意識し、自発的に正しい履き方を身につけていけるのではないでしょうか。


靴ジャーナリスト・大谷知子さんによるコラム「子供の足と靴のこと」の連載㉒「アンドレセン先生の「足と靴」授業」のダイジェストです。コラムの全文はこちら


大谷知子(おおや・ともこ)
靴ジャーナリスト。1953年、埼玉県生まれ。靴業界誌「靴業界(現フットウエア・プレス)」を皮切りに、靴のカルチャーマガジン「シューフィル」(1997年創刊)の主筆を務めるなど、靴の取材・執筆歴は約40年。ビジネス、ファッション、カルチャー、そして健康と靴をオールラウンドにカバーし、1996年に出版した「子供靴はこんなに怖い」(宙出版刊)では、靴が子どもの足の健全な成長に大きな役割を果たすことを、初めて体系立てた形で世に知らしめた。現在は、フリーランスで海外を含め取材活動を行い、靴やアパレルの専門紙誌に執筆。講演活動も行っている。著書は、他に「百靴事典」(シューフィル刊)がある。