2025/08/15 00:00

童話には子どもの情操を育む大切な役割がありますが、「靴」が印象的に登場する作品の代表は、「シンデレラ」ではないでしょうか。

ご存じのとおり、主人公は継母と義姉たちにいじめられ、暖炉の灰まみれで暮らすことから「灰かぶり=シンデレラ」と呼ばれるようになります。ある日、お城で開かれる舞踏会に、魔法の力で美しく変身し出かけますが、12時の鐘に急いで帰る途中、靴を片方落としてしまいます。


この「シンデレラ」にはさまざまなバージョンがあります。皆さんがよくご存じないのは、ペロー版。靴はガラス製ですが、金の靴や銀の靴、中国では毛皮の靴も登場します。内容も異なり、中でもグリム版は、とても怖い。、義姉たちは、靴を履くために爪先やかかとを切り落としてしまうのです。


実は、靴は隠喩なのですが、隠喩を探るまでもなく「靴が足にぴったり合っていてこそ、幸せをもたらす」という寓意を含んでいるようにも思えます。子どもたちに読み聞かせる際は、「痛い靴を無理に履いても、幸せにはなれませんよ」と伝えてあげたいものです。


靴ジャーナリスト・大谷知子さんによるコラム「子供の足と靴のこと」の連載㉑「「シンデレラ」のお話に込められた靴」のダイジェストです。コラムの全文はこちら




童話に込められた『本当は恐ろしいグリム童話』

(桐生操著・KKベストセラーズ刊)